第26回東京国際映画祭の鑑賞1本目は台湾作品「高雄ダンサー(原題:打狗舞)」。土曜夜20:50スタートの回。夕食後に出掛けるのが面倒でもういいかも…と弱気になりつつも、水曜には監督勢揃いのシンポジウムがあるので観てないのもなーと出向く(作品概要はこちら)。
出演者、導演らの名前にもなじみなく、ワールドプレミアとのことで予備知識なく観る。導演が台湾人と韓国人の二人、プロデューサーには日本人も名を連ね音楽は米国人と制作陣は国際色豊かだったが内容は至ってローカル。幼馴染の男二人に女一人が織りなす、都会に出ようとして挫折してっていうほろ苦青春恋愛もの。子どものころから男子二人はヒロインにベタ惚れ。二人で海に潜っては難破船の宝物を拾ってプレゼントしていたのだが、ある日船に閉じ込められて…で9年後にスイッチし青年二人と成長したヒロインが現れ。彼らが無事だったのか幼少期とは別の男たちが手玉にとられているのかちょっと迷い、いや死んでたら話終わってるしと思い直す。その後もいろいろあって、いちおう最後に謎解きはあるのだが、それはいいとして、でもそこで終わるんだー、という。自分が惚れられてないと思った方が譲って泣かせたりはせずどっちも譲らないという。女は怖いわー。
Q&Aには主演の三人に二人の導演、音楽担当の計6人が登壇。通訳も中韓英と賑やか。
台湾人導演のホー・ウェンシュン(何文薰)さんはチャイナドレス姿が素敵で帰りもロビーで観客に「謝謝」と声をかけておられた。主役三人の役名「孔・己・乙」は好きな魯迅の短編からとったのだとか(青空文庫より:魯迅 井上紅梅訳 孔乙己)。俳優陣は知名度の高いメンバーではなかったように思うが、なにげに演者が観られたのは本作だけになるかも。。。ヒロインのクライ・ファン(黃克敬)小姐は撮影しているときはまだ大学生で大学のある台北と撮影地の高雄を行ったり来たりで体力的に大変だったらしい。距離的には東京-名古屋を行ったり来たりくらい? 疲れてただけなのか。画面からもっと上世代なのかと思って申し訳ない。実物のほうが美人さんに思えた(と持ち上げておく)。